青少年及び保護育成者に対して、海洋知識の増加及び理解を促進するとともに、質の高い学習の場を提供しつつ、海洋環境の保全活動、調査、研究活動を行い、また海と自然と共に体験学習を実践することにより健全な青少年の育成及び広く社会に貢献することを目的としています。
1.目 標
(1)海での体験学習を通して、海を身近なものとして捉えなおし、海に興
味を持てるようにする。
(2)豊かな海が失われつつある現実を知識として知るとともに、実際に豊
かな海を、体験学習を通して経験することで、自然への敬愛の念・環境
保全への意識を自発的に芽生えさせ、同時に海の持つ価値に気づける
ようにする。
(3)海という大自然と触れ合うことで、自然の偉大さ・脅威・危険を知り、
大自然から安全に学ぶために必要な技術・知識を自発的に習得しよう
とする。
(4)海での体験学習を通して得た感動を、自分自身も伝えたいと考えられ
るようになるまで育成する。
(5)海という大自然のなかで多様な人々と出会い、自然の前では誰しも
が分け隔てないことを認識し、出会えたすべての人との共有体験を通し
て仲間意識を芽生えさせる。また仲間との出会いの場所・自分自身の
居場所=「海」への愛おしさをあらためて抱けるようにする。
(6)多様な人々と、経験も生活も時間も共有することで、集団生活のルー
ルを学び、協調性や礼儀が身につけられるように育成する。
2.内 容
(1) 海への興味
○海への興味を発展させるため、次の事項について指導する。
ア 安全面を確保すれば、海での学習はとても楽しく行えること。
イ 海の中に広がる世界は、地上とは様子が大きく異なること。
ウ 海にはさまざまな生物が生きていることを意識しながら、海中
を覗いてみること。
エ 海にはさまざまなもの(ゴミなど)が落ちていて、それを使った
工作などができること。
(2)海の豊かさや価値への気付き
○海の豊かさや価値への気付きを促すため、次の事項について指導
する。
ア 失われつつ海の豊かさを知識として持ったうえで、実際に海とい
う大自然を自分なりに体験してみること。
イ 体験をもとに、再度海の豊かさが失われつつあるというのはどう
いうことなのか、自分なりに考えてみること。
ウ 今ある海の豊かさはどうやって保たれてきたのか、失われてい
く海があるのはなぜなのか考えてみること。
エ 海がなければ今の私たちは今後どうなっていくのか考えるこ
と。
(3)海の危険の認識、海洋知識・技術の習得と向上
○海の危険の認識、海洋知識・技術の習得と向上を促すため、次の
事項について指導する。
ア 海にかかわる人間としてのルール(シーマンシップ)について知
ること。
イ 海で直面する危険(気象・気候によるもの、生物によるもの、不
注意によるもの、知識不足によるもの、など)について認識す
ること。
ウ 海洋全般の知識について知ること。
エ 海で学ぶために必要な基礎技術について学び、より安全に学
ぶためには技術の向上が欠かせないと理解すること。
(4)感動の伝道、指導者としての意識付け
○感動を伝える指導者としての意識が芽生えるよう、次の事項に
ついて指導する。
ア 海での体験の何について一番感動したか、自分なりに考え
てみること
イ 感動したときに一緒にいてくれたのは誰だったのか(指
導者)、その人の言葉や振る舞いとともに思い起こしてみる
こと。
ウ 感動したとき、誰に一番教えてあげたかったか、また一番分
かりやすく教えてあげられる方法は何か、自分なりに考え
てみること。
(5)仲間意識、居場所意識の芽生え
○仲間意識、居場所意識の芽生えを促すため、次の事項について
指導する。
ア 海という大自然の前では、誰もが助け合うため、皆が平等に一
人の人間として向き合えるということ。
イ 同じ時間・同じ場所・同じ感動を、出会った人同士が分かち合え
ていることの偶然が非常に幸運で、喜ばしいのだと実感するこ
と。
ウ 偶然出会えた仲間達と集うことのできている「海」は今後も自分
自身の 居場所であり、仲間と出会える貴重な場所だと考えるこ
と。
(6)しつけ・礼儀
○しつけ・礼儀を身に付けさせるため、次の事項について指導する。
ア 仲間と出会えた貴重な場だからこそ、守るべきルールがあると
いうこと。
イ 共同生活はお互いの尊重の念なしには成り立たないというこ
と。
ウ 目上の人を敬う、弱いものを助ける、挨拶はきちんとするなど、
人として当たり前のことを当たり前にできるようになるということ。
|