趣旨
社会生活の急激な変化や、子供達を取りまく環境変化を、教育現場にいた時に感じつつ、このままで良いのだろうか?また子供達のみならず、手本であり後姿を見られる大人達は、将来や夢に向かって活力ある生き方ができているのだろうか?この疑問に対する私なりの答えは、自分も含めてNOでありました。
夢と理想を胸に「教育」の現場に飛び込み、魅力があり、力強く生きていくことができる人間を作るきっかけ、道しるべになるべく日々模索し、情熱を注いで参りました。しかし、学校教育の場だけでは限界があることを思い知らされました。
社会、環境、教育、人間、心、その状況は刻々と変化しています。しかし実際に現場でおこなわれているのは四角四面の中での画一的な教育、希薄になる人間関係と心の触れ合いでした。
かつて私自身は、海や自然環境と触れ合ったことにより、感動し、躍動し、それが生き方の再確認をするきっかけとなりました。教師から漁師に転身し、海の知識だけではなく、生きていくための知恵を身につけました。海で生きていくうえで大切なものは、シーマンシップ、助け合いの精神です。海は自分を飾ることができず、素の人間をうつしだす環境であります。地球の70%を占める、この海を舞台に教育参加が必要不可欠ではないでしょうか。母なる海から人間としての生き方や自然保護、環境問題、行動指針、チャレンジ精神を学ぶことは、この現代社会を強く生きていける子供を育てるため、そして魅力ある生き方を実践できる大人となるために、必ず生かされるはずです。そしてそのすべては「知る」ことから始まるのではないでしょうか。
ある研究者の方の「人間は星のことはよく知っている。しかし、足元にある海のことは何も知らない」という言葉は、私の心に今もなお鮮烈に残っております。
「海を科学する」という理念の下に、海をきっかけに、すべての人たちに 教育=共育 を実践し、感動や気づき、動機付けのきっかけになればと日々チャレンジしております。
|